備長炭とは?種類や特徴、焼き鳥・BBQで人気の理由について解説
備長炭は、焼き鳥やBBQなどでよく用いられる人気の炭です。
今回の記事では、ほかの炭の違いや名前の由来、使用する上で知っておくとよい点について紹介します。炭を購入する前に、備長炭の特徴を知っておきましょう。
目次
備長炭とは?木炭との違い
備長炭が普通の木炭とどのように違うか、ご存じでしょうか。
木炭とは、炭化させた木材全般を指します。木炭は製造時の焼き方や火の消し方によって黒炭と白炭に分類されます。備長炭は白炭の一種です。白炭は黒炭と比べて火が付くまでの時間が長いものの、長い燃焼時間と安定した強い火力が利点です。
とくに和歌山県のウバメガシ備長炭は最高級品として広く知られています。そのため、プロの料理人に好んで使用されています。
※ウバメガシの原木(他の木に比べて重いのが特徴)
備長炭の歴史と名前の由来
備長炭の名前の由来については諸説あります。中でも、紀伊国(現在の和歌山県)の商人の名前から採用された説が有力です。
その説によると、紀伊国で炭問屋を営んでいた「備中屋長左衛門」がウバメガシから備長炭を作ったとされています。はじめは地元だけで販売していましたが、江戸の問屋にも出荷するようになり、その品質の高さから江戸で驚くほど高く評価されました。
江戸での大好評を喜んだ炭問屋が、自分の屋号からこの炭を「備長炭」と命名したとされています。
備長炭の主な特徴
備長炭は、その質や製法など、ほかの炭と比較してさまざまな特徴があります。以下で、備長炭が持つ特徴を3つ紹介します。
ほかの炭との違いや長所、使用の際に気を付けたい点を知っておきましょう。
長時間安定した火力が持続する
備長炭がほかの炭より優れている特徴として、安定した火力が挙げられます。加えて、燃焼時間が長いことも長所のひとつです。
備長炭は締まって硬く、頻繁に炭を継ぎ足さずとも、一定の火力を保って長時間使い続けられます。うちわ1本で火力調整ができ、繊細な火加減が必要な料理に向いています。
一方で、着火時間は一般的な黒炭と比べて長いことを知っておきましょう。
料理を美味しくする
備長炭がプロの料理人に好んで用いられる理由のひとつに、料理を美味しくする効果の高さが挙げられます。なぜなら備長炭を熱したときに発生する遠赤外線が、食感に影響するためです。
遠赤外線の効果で、素材の表面をまんべんなく一気に焼き上げ、中はしっかり火を通しつつ低温に保てます。そのため、外はカリッと、中はジューシーに焼き上がります。
また、ガスや薪と比べて炭は水素がほぼ含まれず、熱したときに水蒸気が発生しないことも食感のよさの理由です。
冷蔵庫に入れたりお酒や水に入れたりと、燃やす以外の方法で活用することも可能です。
爆跳が発生する
備長炭を使用するときの注意点として、爆跳の発生しやすさが挙げられます。
爆跳とは火を付けた炭がパチパチとはじけることで、炭に含まれるガスや水蒸気の加熱で破裂が生じることが原因です。備長炭は硬く締まった高密度の構造です。そのため急激に加熱したとき内部に閉じ込められた細かい空気や水分が膨張して、爆跳が起こりやすくなります。
炭は水分を含む空気中のあらゆるものを吸着します。湿気を多く含んだ炭は、より爆跳が発生しやすくなります。備長炭は、外気に触れない湿度の低い場所での保管が望ましいでしょう。
備長炭が飲食店やBBQで人気の理由
備長炭は、焼き鳥屋や焼肉屋、鰻屋などの飲食店ではもちろん、BBQでも使われる人気が高い炭のひとつです。
前述の通り、備長炭を使用すれば、水蒸気の少なさと遠赤外線の効果で、食感を損なうことなく調理できます。
また、火力が強く安定し、炎が上がりにくいため、燻煙で食材に香ばしい風味を加えることも可能です。
備長炭の燃焼時間は一般的に8時間程度と長く、一度火が付けば1日中炭を継ぎ足さずに調理できます。
そのため、BBQで自ら炭火の香りがする美味しい肉を焼きたい方、長時間BBQをしたい方に備長炭は人気です。ただし、着火の手間や爆跳などを考慮し、BBQのメンバーや場所、実施時間に合った炭を選びましょう。
備長炭の使い方
備長炭は火力が強く長時間の調理に適した炭です。一方、着火するまでの時間が長い、爆跳が起こりやすいなどのデメリットも持ち合わせています。
ここからは、備長炭を上手に使って調理するために心がけたいことを紹介します。
備長炭の火起こしの方法
備長炭は着火しにくいため、炭火焼きを始める1時間ほど前に着火作業を始めるとよいでしょう。
最初は小さな黒炭や薪に着火し、順に大きな炭に移します。隙間を空けて空気の通りをよくすると、着火がスムーズです。自宅のガスコンロを用いるときは、火起こし器を使うと火が付きやすくおすすめです。
※お店では、ガスコンロと火おこし器のみを使用します
ガスボンベ破裂のおそれがあるため、カセットコンロでの火起こし器の使用は避けます。屋外で用いるときは、着火剤を使うと火を付けることが容易です。
爆跳を少なくする方法
備長炭を使うときに爆跳を少なくするためには、炭を温めながら少しずつ火を入れることが大事です。弱火で温めることによって炭内部の水分を飛ばし、勢いよく爆ぜることを防げます。
また、割れ目や木の節がある炭は避け、炭表面の滑らかな部分に火が当たるようにすることも爆跳を防ぐ方法のひとつです。
保管中に炭の内部に湿気がたまると爆ぜやすくなります。使用前は湿気の少ない環境で保管するようにしましょう。
備長炭の種類(材料別)
一口に備長炭と言っても、材料は商品によってさまざまです。
紀州備長炭に使われるウバメガシは、硬く締まった日持ちのよい炭ができます。生育に20年から30年程度かかり、生育期間の長さは紀州備長炭が貴重である理由のひとつです。
ウバメガシ以外だと、同じカシの仲間であるアオガシやアラカシなどが炭の生産に使われます。アオガシを用いた炭は、紀州備長炭と比べて灰が多く火の付きやすさが特徴です。
カシの仲間以外だと、ナラやツバキなどを用いた白炭が見られます。
備長炭の種類(産地・ブランド別)
備長炭には、さまざまな産地・ブランドがあり、それぞれに特色があります。
以下で、日本三大備長炭と呼ばれる評価の高い炭に加えて、2種類の炭を紹介します。使用する目的や、求める品質に合った炭を選びましょう。
日本三大備長炭(紀州|土佐|宮崎)
紀州備長炭・土佐備長炭・宮崎備長炭は、日本三大備長炭と呼ばれます。
紀州備長炭は、職人によって製造され、非常に硬く、締まりの良いことが特徴です。
食材の風味を引き立てる能力の高い炭ですが、短所として供給量が少ないことと価格が高いことが挙げられます。
土佐備長炭は高品質な炭であり、紀州備長炭と比べて供給量が多くお手頃な値段が魅力です。
宮崎(日向)備長炭は、三大備長炭では最もやわらかい仕上がりで、アラカシから作られます。紀州、土佐に比べると着火しやすく、火力はやや弱めです。
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ラオス備長炭
備長炭には国内三大備長炭のほかに、手頃な価格の海外産のものがあります。海外産備長炭は、中国産やラオス産、ベトナム産が有名です。
ラオス備長炭は国産の備長炭に比べてやわらかめです。そのため、火付きが早く扱いやすいという長所があります。また、爆跳が少ない点も扱いやすさにつながっています。
一方で、灰が多いことや燃焼時間の短さが短所です。
また、国産備長炭にある繊細な香りが弱いと感じられることがあります。
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おが備長炭(ニシキ|椿|柏|いよ)
おが備長炭とは、おが粉を高温高圧でプレスしたオガライトを原料として焼き上げます。
おが備長炭の種類は2種類あり、硬いものとやわらかいものに分けられ以下の様な特徴があります。
・硬い:燃焼時間は長いが火が付きにくい(焼き鳥屋や居酒屋、焼肉屋で人気)
・やわらかい:燃焼時間は短いが火が付きやすい(バーベキューやキャンプなどで人気)
また、木材から作られた備長炭よりも安く、環境にやさしいことが特徴です。原料となった植物の種類によって、おが備長炭の品質はさまざまです。
ニシキ製は、火力、火持ちがよく、安価で高品質です。
椿製は、火付けのしやすさと燃焼時間の長さを併せ持ちます。
柏製は、速い着火と強い火力、やわらかく割りやすい特徴をもちます。
いよ製は、灰が少なく、燃焼時間の長さが長所です。
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まとめ
備長炭は、品質や使い勝手が種類によって異なります。
用途に合わせて、素早い火付けを求めるのか、燃焼時間の長さを求めるのかを決めて購入すると失敗がなくおすすめです。
使用しない間は爆跳を防ぐために、湿気の少ない場所に保管しましょう。
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